暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

インパクトファクター

3年前、自分が所属している畜産関連学会の学会誌が「Web of Science」というオンラインの学術データベースに収録された。
 
大雑把に言うと、その学会誌が世界で認められるようになったのだ。
そして今日、その学会誌の「インパクトファクター」が公表された。
インパクトファクターは、その雑誌の論文の被引用回数(つまり他の論文に引用された回数)を示す数値である。
 
研究論文では、研究の背景や目的等を記述して、その研究の意義や有用性を説明しなければいけない。
そうしなければ研究をした理由が全く分からなくなるからだ。
ほとんどの研究が過去の研究成果を基に進められているので、論文を作成する時に過去の論文を「引用」する。
論文の中でも、他の研究に有益な情報をもたらすような素晴らしいものは、他の論文に引用される回数が多い。
したがって、論文の被引用回数を調べることで、その論文や学術雑誌が他の研究にどれくらい影響を与えたかが推測できる。
 
インパクトファクターは、自然科学や社会科学分野の学術雑誌の影響度を示す指標の1つで、以下のようにして算出されている。

  • A:対象年の前々年に掲載された論文の数
  • B:対象年の前年に掲載された論文の数
  • C:前々年と前年の論文が、対象年に他の論文に引用された延べ回数

C÷(A+B)=対象年のインパクトファクター
例えば、2008年と2009年の論文数の合計が100報で、2010年に延べ100回引用されたとすると、
100回÷100報=1
2010年のインパクトファクターは1になる。
 
前述の学会誌のインパクトファクターは0.833だった。
自分の研究分野では、インパクトファクター1〜2の学術雑誌が普通、3以上だと優良、5を超えると一流とされている。
正直なところ、この学会誌のインパクトファクターは0.1くらいでは?と考えていたので(失礼ですみません)、予想以上の数値に驚いた。