暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

学会(後編)

すっかり観光気分だ。
 
いや、今回は観光ではなく学会に来たのだ。
開始時刻ぎりぎりになって学会会場に着いた。

この学会はシンポジウムとポスター発表、そして若手の研究者の口頭発表から構成されている。
 
まずはシンポジウムからだ。

老若男女を問わず、研究に熱心な人達がシンポジウムに参加している。
今回参加した日本比較内分泌学会では様々な生物の内分泌について研究をしている人達の学会だ。
対象となる生物は多種多様で、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類はもちろん、昆虫などの無脊椎動物の研究も多い。
自分はニワトリの研究をしているが、ニワトリを扱っている研究者はほとんどいない。
普段は目にすることが少ない研究ばかりなので勉強になる。
 
次にポスター発表があった。
自分もポスターで研究成果を発表する。

ポスターを掲示してその前に立ち、他の研究者の質問を受け付ける。
口頭発表と違ってゆっくり研究内容を見ることができるし、質問時間も長い。
研究内容をより深く議論するのであれば、口頭発表よりもポスター発表が良いと自分は考えている。
 
学会は土曜日まで続くのだが、金曜日に授業があるため、今日の夕方の飛行機で帰ることにした。
途中で帰ることになったものの充実した学会だったといえる。
これまでは、授業や研究が忙しかったり、研究室の諸事情があって学会に参加することを控えていた。
外部との繋がりを断って仕事に専念する日々は悪くなかった。
しかし、外部からの情報が少なくなるにつれて自分の視野がどんどん狭くなっていたことに気づき始めた。
また、外部からの刺激がなくなり、研究に緊張感がなくなっていたと思う。
最終的にはいろいろな言い訳を作って研究を止めてしまったかもしれない。
もし以前のまま学会に参加しなかったら、将来は研究を続けることすら困難になっていた可能性がある。
 
この2年間で学会の重要性を学んだ。
これからは積極的に学会に参加しよう。