暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

共通教育

大学には「専門教育科目」と「共通教育科目」という授業科目がある。
専門教育科目は各学部で学ぶ、専門的な能力を養うための授業科目である。
一方、共通教育科目は学部とは関係がない科目で、人生や社会生活に活かせるような様々な学問分野を幅広く学ぶことで基礎能力を養おうという授業科目である。
共通教育科目は「一般科目」や「教養科目」とも呼ばれており、通常は大学1および2年生時に行われている。
 
自分はこの共通教育が嫌いだった。
共通教育の理念は分かるが、大学に入学したばかりで社会人になるまではまだ時間があるため、共通教育で学んだことが将来にどれくらい役に立つかがまったく想像できなかった。
せっかく学部を選んで入学したのに、なぜまた他の分野について勉強しなければいけないのだと思っていた。
農学部に入学して苦手な数学や英語から逃げることができたと思っていたら、また授業を受けなければいけないのかと考えて憂鬱になっていた。
もっとも、この職業に就いているため、英語からは結局逃げることはできていないのだが…。
 
自分の大学では、共通教育科目の担当を持ち回りで決めている。
今年は自分が担当する番だ。
自分の講義を受講している学生は、かつての自分と同じように共通教育が嫌いなのかもしれない。
彼らの気分を想像しながら授業すると少しだけ心が重くなる。