暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

死闘

早朝から第三の河口に行ってきた。
狙いは青物である。
今年の第三の河口はかなり調子が悪いようだが、1匹くらいは釣っておきたい。
 
まだ辺りが暗い朝5時半に釣り場に到着する。
既に5人程の釣り人がいたが、釣れている気配はなさそうだ。
早速メタルジグやヘビーミノーを投げるがなかなかアタリがない。
辛うじて小さなダツが1匹釣れただけである。

すっかり夜が明け、小雨が降ってきた。
釣り人が一人、二人と帰り始める。
 
自分もすっかりやる気をなくし、あまり人気がない釣り場に移動する。
ここでも全く釣れないので帰ろうかと考えていた時、岸近くの潮目にライズらしきものが見えた。
早速マリアのメタフラを投げてみるとカツっとした歯魚らしきアタリが来た。
この潮目には何かがいる!
すぐさまメタフラを投げてみるとついにアタリがきた。
リールからどんどん糸が出ていく。
数分後に魚の動きが止まったが今度はまったく動かなくなった。
二度とバラしたくないので、ドラグを緩めて持久戦に持ち込む。
 
この様子を見て他の釣り人が集まってきた。
自分の持久戦を見るなり、
「釣りは戦うのが楽しいんだ。
釣れるか釣れないかが運次第、それだからいいんじゃないか。
思いっきり引いて勝負しなさい。」
と言った。
 
この言葉を聞いて、自分が釣りの醍醐味を忘れていたことに気付く。
シーバスを何度もバラしたおかげで自分はすっかり弱気になってしまっていたのだ。
 
心機一転、強引かつ慎重に魚に立ち向かう。
20分後についにその姿が見えてきた。
大物の正体はアカエイで、しかもスレ掛かりだった。
その釣り人がリーダーを掴み砂浜に引き上げようとしたところでリーダーが切れ、死闘に幕が下りた。
 
帰り道、その釣り人の言葉を何度も思い出していた。
死闘にお付き合いいただいたこと、ありがたい言葉をいただいたことに感謝申し上げます。