論文に関する記事
YAHOOニュースを見ていたら、学術論文に関する記事が掲載されていた。
「日本は失速、地位危ういと英誌警告 減少する科学研究論文」と題する、産経新聞が4月23日に配信した記事である。
世界で最も高水準が学術雑誌の一つNature誌の調べによると、日本発の高水準の学術論文数が減っているらしい。
論文全体の数でいうと増加はしているものの、アメリカと中国の論文数がより増えているので、日本初の論文数は減っているようだ。
Nature誌は政府主導の新たな取り組みでこの傾向を打破しなければ日本の存在感はより低下すると言っている。
そして、その原因として国の科学技術予算が減ったこと、大学では大学改革のための会議や広報活動に労力を割かれてしまっていること、大学院への進学者数が減ったこと等が挙げられている。
もっともな記事であるが、そんなことは10年前から分かっていたことである。
この記事に書かれていることに加え、大学で研究がしづらくなった原因は他にも山ほどある。
自分の研究室の教育と研究設備は(自分の研究分野では)日本国内では最低の水準である。
研究室の学生達や助教には迷惑をかけていることだろう。
ほとんどの研究費の大元は国民の税金なので限りがあるのは当然のことだ。
研究の水準はさておき、何とか研究を進めて論文を書き続けていこうと考えている。
自分のような下っ端の研究者ができることはそれしかないのだ。
ちなみに、中国発の論文数が増えたのは当然のことだと思う。
何しろ中国の人口は世界一なのだ。
研究者人口が多くなるのは当然のことだし、経済的に発展した今なら研究費も潤沢にあることだろう。
日本に比べれば土地も圧倒的に広いので研究室のスペースも簡単に確保できることだろう。
インターネットの発達で研究情報のやり取りが進んだのもその一因であろう。
金があるのはもちろん、土地があって人があるというのはそれだけでも強いのだ。
持たざる者は持たざる者なりに工夫するしかない。