暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

シーバスへの道(番外編)

一度シーバスを釣ったからもう釣らなくてもいい。
なんて思う訳がない。
ということで植村君とシーバス釣りに行くことにした。
 
急いで仕事を片付け、車でいつもの場所に向かう。
早速メタルジグを投げる。
釣り始めてすぐにアタリがきた。

ダツだ。
この後に2匹釣り上げた。
どうやらかなりの数のダツが居ついているらしい。
 
植村君は自分と同じくらいの初心者だ。
先日買ったばかりのシーバス用のタックルでひたすらジグを投げ続けていた。
日没が迫り他の釣り人が家路に就く中、自分たちだけが釣りを続ける。
ふと植村君が「ジグに何かついています」と言った。
彼がリールを巻き上げていると、突然バスロッドが大きく曲がった!
シーバスに間違いない。
彼にとって初めてのシーバスであり初めての大物だ。
必死でシーバスロッドを支える。
しかし、奮闘むなしくラインが切れてしまい、シーバスは海に消えていった。
 
まるで1週間前の自分を見ているようだった。
釣果は得られなかったが、彼はついにシーバスの手応えを知ることができた。
彼がシーバスを釣り上げる日もそう遠くはないだろう。
 
こうしてまた1人、シーバスへの道に挑むのであった。