暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

農場実習

今週は何かと忙しい。
月曜日は午後から附属農場で実習をした。
火曜日はオープンキャンパスがあった。
そして、今日は附属農場でまた実習を担当する。
 
附属農場は農学部から車で30分以上離れた場所にある。
こんなに離れた場所に行くのなら、ついでに何かをしたい。
ということで実習の前に釣りをすることにした。
 
朝4時30分頃に北条港に着いた。
早速青虫を餌に投げ釣りを始めるが小さなアタリはあるがなかなか釣れない。
6時前にようやく1匹釣り上げた。

久しぶりのキュウセンだ。
キュウセンはベラの1種で、関西では一般的な食用魚である。
 
1時間後に2匹目を釣った。

またまたキュウセンだ。
さっきのとは色が違うがこちらもキュウセンである。
 
実はこの2匹のキュウセンは性別が違う。
 
キュウセンは性転換をする魚でメスがオスに性転換する。
全てのメスがオスになるのではなく、群れの中で体の大きいメスがオスになり、その群れの中で子孫を作る。
このようにメスからオスになったものを「二次オス」という。
2匹目に釣った魚は二次オスである。
 
キュウセンのメスは1匹目のような色をしている。
しかし、1匹目のキュウセンをメスとは断言できない。
それは、キュウセンには生まれつきオスの個体もおり(一次オス)、それがメスそっくりの色をしているからだ。
したがって、1匹目のキュウセンはメスまたは一次オスのどちらかになる。
この一次オスは、メスのふりをして二次オスがいる群れに紛れ込み、こっそり自分の子孫を作る。
キュウセンの世界では、生まれついてのオスの地位はそれほど高くないようだ。
 
両方ともリリースしたが2匹目のキュウセンをリリースした時に事件が起きた。
2匹目をリリースすると、すぐには泳げずしばらく海に浮かんでいた。
そのキュウセンを見つけたカモメが1羽、また1羽と集まってくる。

そのうちの1羽がキュウセンをくわえて飛び去ってしまった。
ところが他のカモメが黙っていない。
なんと集団でキュウセンをくわえたカモメを襲い、キュウセンを奪い始めたのだ。
結局、他のカモメがキュウセンを食べてしまった。
 
カモメの恐ろしい一面を見た。