暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

「大輔」の先輩(後編)

先輩と釣りに行くのは初めてだ。
失礼のないように、自分のシーバス用タックルを使ってもらうことにした。
このタックルは数々の奇跡を引き起こしてきたのでこれなら安心だろう。
 
ところが、この判断が大きな失敗を引き起こすことになる。
 
まず三津周辺に行った。
ここはアナゴなら確実に釣れるし、何より実績がある。
自分は投げ釣りを、先輩はルアー釣りをすることにした。
不思議なことに、先輩がルアーを数回投げるとPEラインが切れてしまう。
その都度先輩はFGノットでリーダーを結び直す。
 
三津周辺でアタリがなくなったので、松山観光港周辺に移動する。
ここでも先輩がルアーを数回投げるとPEラインが切れてしまった。
どうしてこんなことが起こるのだろうか?
先輩がタックルを調べてみると、シーバスロッドの先端のガイドに亀裂があることがわかった。
この亀裂でPEラインがすれてしまい、切れてしまったのだろう。
自分の日々のメンテナンスに問題があることは明らかだ。
先輩に申し訳ないことをしてしまった。
 
自分の不手際で先輩に迷惑をかけてしまった。
このまま帰る訳にはいかない。
そこで、伊予港に移動して投げ釣りをすることにした。
餌は青虫だ。
しばらくすると先輩にも自分にもアナゴが釣れた。
できれば他の魚がいいなあ、なんて考えていたらまたアタリが来た。

27cmのキビレだ。
アナゴも良いが、やっぱり太かったり平べったい魚の方が良い。
この後にキスも釣れた。

自分がトイレに行っている間に先輩が釣り上げてくれた。
 
この後、小さなアタリはあるが、餌を取られるだけで釣り上げることができない。
魚の正体を確かめるため、先輩がジグヘッドに青虫を付けて辺りを探ってみる。

投げ釣りでも、リアルワームでもなかなか釣り上げることができない。
青虫が底を付いたその時、先輩がついに釣り上げた。

小さいマダイだった。
小さなアタリの正体はマダイの子供だったのだ。
 
この後、納竿して帰路に就いた。
もし、自分のシーバス用タックルをきちんとメンテナンスしていたなら、もっと違った釣りになっていたであろう。
本当にすみませんでした。
 
次回は必ずきちんとメンテナンスされたタックルで、先輩と釣りをしたい。