暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

玉網王に捧げる釣り(後編)

シーバスの衝撃で眠気が一気に吹っ飛んだ。
 
もう一度と思い、一心不乱にルアーを投げ続ける。
気持ちは焦るがなかなかアタリがない。
しばらくすると宮崎君のロッドにアタリが来たが、シーバスの引きではないようだ。

28cmのクロソイだった。
産卵前のせいか、やたらとお腹が出ている(もちろんリリースした)。
実は彼はリーダーを付けずにPEラインを直接ワームに結んでいた。
そんな状態でよく釣れたものだ。
 
その直後、自分のシーバスロッドにアタリが来た。
この重さはシーバスに間違いない。
できれば逃がしたくないが、潮はまだ満ちていないので玉網が届かない。
そこで、シーバスを低めお波止まで引っ張り、そこで玉網で掬うことにした。
せめて証拠を残そうと思い、宮崎君に写真を撮ってもらう。

とりあえずこれで覚悟ができた。
宮崎君が一番低い波止で玉網を持って待っている。
時間をかけてシーバスを引っ張り、彼が慎重に玉網を入れる。
そして…

ついにシーバスを釣り上げた!
少し前に目の前でシーバスを逃してしまっていたので、2人とも大興奮だ。
 
測ってみると85cmもあった。
シーバスの自己最高記録どころか、自分が釣った魚の中でも一番大きい。
1年前、自分はシーバスを釣ることができなかったが、これでリベンジ達成だ。
車に戻り、植村君と清原君に報告する。
この報せを受けて清原君も再挑戦することになった。
 
自分がシーバスを〆ている間、宮崎君と清原君がルアーを投げ続ける。
すぐに宮崎君のシーバスロッドにアタリが来た!

68cmのシーバスだ。
彼にとっては初めてのシーバスである。
続いて清原君のシーバスロッドにもアタリが来た。

こちらも78cmと良型だ。
これでシーバスが3匹釣れたことになる。

3匹ともクーラーボックスに入りそうにない。
釣り部創設以来の大漁である。
 
シーバスを〆ている間に辺りが明るくなってきた。
一晩中釣りをしていたので、疲れがどっと出てくる。
もう釣りを続けることはできない。
 
こうして中島での2回目の釣行を終えた。
釣果はもちろん、釣り自体にも大満足だった。
玉網王は大学から離れることになるが、これで釣りをしなくなるということはない。
例え違う街に住んでいても釣りはできる。
いつかまた一緒に釣りをしようと誓い、中島を離れるのであった。

 
終わりです。