暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

船釣り

自分は船釣りをあまりしない。
船釣りにはお金がかかるし、そのうえ自分は船酔いしてしまう。
魚群探知機を使うこともあまり良い気がしない。
とはいえ、船釣りでは大物が大量に釣れるという事実を羨ましく思うことも決して少なくない。
 
ということで、5年ぶりに船釣りをしてきた。
 
朝7時に三津浜港に集合し、「栄恵丸」に乗り込む。
今回は大学の教員2人(1人は清原君の指導教員)と一緒である。
他の釣り客がいないため貸切状態だ。
残念なことに小雨だが、港内は無風で波もない。
今日は楽しい釣りになりそうだ。
 
ところが、港を出た途端に波が高くなる。
こんな状態で釣りができるのか?
しばらくすると左側に中島が見えてきた。

この時点で船酔いが始まった。
船酔いでダウンする前に釣りを始めたいが、船は一向に止まる気配がない。
どこまで行くのか船長さんに聞いてみると、なんと広島付近まで行くという。
そこまで自分の体は持つのだろうか。
 
ようやく釣り場に到着し、釣りを始める。
今回の獲物はタチウオで30cmほどのサンマを餌として使う。
サンマを半分に切り、タチウオテンヤに着けてワイヤーでぐるぐる巻いて固定する。
それを海に投入し、海底(50〜70m)に着底させてから10mほど上げてから、ゆっくり仕掛けを巻き上げていく。
10〜20mくらい巻き上げたら元の位置にもどし、またゆっくり仕掛けを上げていく。
この繰り返しだという。
幸いなことに2投目でアタリがあり、あっという間にタチウオが釣れた。
この時にはかなり船酔いしていたので写真はない。
 
釣りをしている間に船が潮に流されてしまうので、ある程度流されたら釣りを中断し、船を元の位置に戻す。
この移動が船酔いに響く。
挙句の果てに雨が強くなり周りが全く見えない。
合羽の隙間から雨が入ってきてとても冷たい。
波の高さは2mくらいだろうか、船も2mくらい上下している。
ふと隣を見ると、1人の教員が戦闘不能状態になっていた。
 
自分もそろそろ釣りができなくなりそうだ。
それでも必死に仕掛けを落とし続ける。
もう10回以上吐いているだろう、胃液しか出ない。
だけども竿を手放す訳にはいかない。
竿を支えながら吐き続けようやく5匹だけ釣れた。
その直後、ついに心が折れた。
 
釣りを続けていたもう1人の教員に、「すみません、今日は終わりにしませんか」と土下座で(立っていられなかっただけ)お願いして、ついに納竿することに。
もう1人の教員はまったく船酔いしていなかったので、本当に申し訳なかった。
この時点で11時過ぎだったので、2〜3時間しか釣りをしていない。
船酔い体質の自分が悔しい。
 
帰り道は何もせず、早く港に着いてくれとばかり考えていた。
港に入り船が止まった時、ようやく落ち着きを取り戻した。
今日の自分の釣果はこれだけ。

一番下のタチウオは体が一部が欠けていた。
誤解のないように書いておくが、「栄恵丸」の船長さんが案内してくれた場所はとても良い場所だった。
もし自分に船酔いがなければ20匹は軽く釣れていただろう(ただの負け惜しみかもしれないが…)。

最大で指4本だった。
 
陸に上がってもまだ揺れている感覚が残っている。
タチウオは釣れたが不完全燃焼で終わった釣行だった。
いずれ同じメンバーでリベンジしたい。
その時にはまた「栄恵丸」にお願いしたいと考えている。