暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

学振

午後に、元・環境昆虫学の小川君から電話がかかってきた。
彼は自分の大学の博士課程に所属していたが、今年から神戸大学編入している。
どうやら日本学術振興会の特別研究員に採択されたらしい。
素晴らしいニュースである。
 
聞けば、同じ環境昆虫学を卒業したY迫君も特別研究員に選ばれたそうだ。
 
この特別研究員は誰もが選ばれる訳ではない。
これまでの経歴や研究業績、これから行う研究の内容などを書き入れた申請書類を提出し、厳しい審査の後に特別研究員に選出される。
環境昆虫学では先に高須賀君が特別研究員に選ばれているが、それから数年後に2名が研究員に選ばれている。
これは素晴らしい快挙である。
 
7年程前まで、環境昆虫学では日本学術振興会の特別研究員に応募するという習慣は全くなかった。
そんな環境で高須賀君が博士課程1年生から応募を始めた。
最初は誰もが「そんな大層なものに採択される訳がない」と思ったことだろう。
何しろ研究室の誰も挑戦したことがないばかりか、その存在さえ知らない状況だったのだ。
そんな環境にも挫けずに、自ら情報を集め、数度の不採択を乗り越えて遂に特別研究員に選ばれた。
 
それは彼に自信を与えただけではなく、特別研究員に応募するための情報や技術をもたらしたことになる。
その結果が今回の2名の採択に繋がったのではないだろうか。
少なくとも、自分は高須賀君の功績は少なくないと考えている。
 
残念なことに、自分の大学では日本学術振興会の特別研究員に応募する学生は決して多くはない。
彼らの活躍を見て、自分もと思える学生が現れることを願って止まない。