暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

オーパ!

自分が読む本と言えば、科学の専門書と漫画それに週刊誌であった。
それ以外の本は子供の頃からほとんど読まなかった。
前の大学の教授から「小説を読んだほうが日本語作成能力が高くなる」と小説を読むことを強く勧められたが、どうしても自分には馴染まない。
どうして時間をかけて架空の物語を読まなければいけないのかという思いと、小説を読んでいれば良いという訳でもないだろうという反発的な考えをしていたからだ。
そんな訳で、三十路に入っても上記以外の本を読むことはなかった。
 
この考えが変わったのは7年前。
大学教員として教育の方針に悩んでいた頃、教育に関する本を探すようになった。
そして「井上成美」と「阿川弘之」という2人の人物に出会う。
井上成美氏(すでに故人です)は大日本帝国海軍の軍人で海軍兵学校長を勤められた際に当時としては革新的な教育方針を採用した人物である。
この井上氏のことを調べるうちに、小説家の阿川弘之氏(ご存命です)が書いた「井上成美」という本(もちろんノンフィクション)に辿り着く。
阿川弘之氏の文章は明快で無駄な虚飾がなく、自分には読みやすく感じた。
この様な文章なら読んでみたいと思ったのがきっかけで、少しずつ読む本が増え、今ではインターネットで中古の小説を探すのが楽しみの一つである。
 
最近読んだ本が開高健氏の「オーパ!」である。

釣り好きなら知っているであろう、開高氏のアマゾン釣行記である。
この本を読んでからアマゾンに行きたくなってきた。