暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

雨の中島(後編)

朝4時頃になると少し雨が弱くなってきた。
清原君と増成君を車に残し釣りを再開する。
一晩中車内で休んでいたので体力だけは残っている。
このままでは終わりたくない。
 
しかし、ワームやミノーを投げてみるが全くアタリがない。
泣く泣くルアーでは釣れないことを受け入れ、餌釣りに切り替える。
とは言え昨夜のうちに青虫を使い果たしてしまったので投げ釣りはできない。
最期の手段はサビキ釣りである。
2年前にこの場所で大型のアジとサバが釣れていたので、期待を込めてサビキ釣りを始めた。
仕掛けを投入してしばらく待つとウキが小刻みに動く。

メバルが釣れた。
この後もひっきりなしにメバルが釣れるが全てリリースサイズ。
小さいとは言えこれが今回の釣行での初めてのメバルだ。
せめて増成君に釣らしてやろうと彼を叩き起こして釣りをさせる。

期待に応えてメバルを釣り上げる。
小さいけどボウズよりはマシだろう。
次第に夜が明けていった。
 
清原君も起きてきたので朝食にした。

朝から温かいものが食べられるのは幸せだ。
周りはすっかり明るくなっている。
残念だが今回はもう釣れそうにない。
もう少し余裕があれば日にちを変更できたのかもしれないが、来週には入院を予定しているので仕方がない。
中島に釣りに来れただけで良しとしよう。
そう自分に言い聞かせて釣り場を後にした。
 
フェリー乗り場に向かう途中で、ある波止が目に留まった。
車を止め、清原君と少しだけ釣りをすることにした。
釣りを初めて数秒後、清原君にアタリが来た!

20cmくらいのメバルだ。
この瞬間にスイッチが入る。
明るい時間帯にも関わらず続々とメバルを釣り上げる。
特に清原君はこれまでのボウズの鬱憤を晴らすかのように釣りまくる。

最後の最後に中島を満喫できた。
このビッグチャンスの間、増成君は車内で熟睡していた。
運の悪い男だ。
 
これで今回の釣行は終了した。
これまでの中島と比べて不完全燃焼であることは否めない。
清原君との最後の釣行がこの様な結果で終わってしまい残念である。
いずれ必ずリベンジしよう。
そう誓って帰りのフェリーに乗り込むのであった。