暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

論文原稿

今日論文原稿を共同研究者に提出した。
提出したと言えば聞こえが良いが、実際は投げ出した形になる。
 
現在作成している論文はいつものものと違う。
学術論文は大きく分けて4種類ある。

  • 原著論文(original paper)

いわゆる論文。
学術雑誌が選んだ審査員による査読(審査)を経て受理される。

  • 短報(short paperやshort communicationなど)

比較的文章量が少ない論文で、研究内容を早く発表したい場合の形式。
原著論文と同じ査読を受けるが、研究の新規性が求められることが多い。

  • 総説(review)

ある研究分野の研究成果をまとめた論文。

  • プロシーディング(proceeding)

学術会議で発表される論文。
査読を受けない、あるいは査読を受けた場合でも原著論文よりも厳密ではないため、業績として認められない場合もある。
ちなみに卒業論文修士論文、博士論文は学位請求論文と呼ばれ、上記の論文とは異なるものである。
 
このうち自分が取り組んでいるものは総説である。
原著論文や短報なら何度となく書いてきたので特に問題はないが、総説は初めてのこともあってかなり苦戦している。
 
それに加えて、総説は研究成果をまとめるものである性質上、自分が実施していない研究が浮き彫りになってくる。
つい「総説を書くよりも実験をした方が良いのではないか」と考えてしまい、ますます筆が進まない。
これまで自分は新しい研究技術を習得することに目を背けて得意な技術ばかり使ってきた。
限られた研究手法だけを使っていたために視野が狭くなっていたのだろう。
自分の研究成果だけ出れば良いと考え、研究分野全体を見渡す目がなかった。
 
共同研究者から労いの言葉をいただいたが、既に締切が迫っており迷惑をかけることは免れないだろう。
悔しすぎる。
 
まだ終わったわけではないので悔いの残らないよう全力を尽くしたい。