暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

初めての体験

大学は夏休み。
自分も授業がないので少しは楽になったのだが、相変わらず仕事に追われる毎日だ。
気分転換を兼ねて、早朝に第二の河口で釣りをすることにした。
 
この選択が今までにない経験を自分にもたらすことになる。
しかも、三つもである。
 
朝5時頃に第二の河口に到着した。
早速ワームを投げるといきなりアジが釣れた。

幸先の良いスタートだ。
 

  • 初体験その1 闇夜を飛び交うモノとの遭遇

 
この後、場所を変えてメバル用のシンキングペンシルを投げる。
するといきなりガツッとしたアタリが来た!
あまりに突然の出来事だったのでリーダーが切れてしまい、あっという間にバラしてしまう。
何の魚か分からないが少なくとも50cmはあったと思う。
とまあここまではいつもの通り。
 
ところが、切れたラインがいつまで経っても落ちてこない。
落ちてこないどころか空で動いている。
よく見るとラインにコウモリが絡んでいるではないか。
生まれて初めてコウモリを釣った(?)。
 

  • 初体験その2 海の底に潜むモノとの遭遇

 
少しずつ夜が明け、潮位もかなり下がってきた。
もう釣れないかなと思いつつ場所を変えてバイブレーションを投げる。
すると、ガッという感触が伝わってきた。
海底に当たったかなと思ったらまたガッという感触がある。
これはひょっとしたらアタリなのでは?と思った瞬間に生き物の手応えが来た!
あまり引かないので、エソかなと思っていたら…。

その正体はマゴチだった。
37cmと大きくはないが初めてのマゴチだ。

ルアー釣りを始めてからずっと釣りたかった魚だ。
今回はまぐれだと思うが、いずれ狙って釣れるだけの技術を身につけたい。
 

  • 初体験その3 紅の滴との出会い

 
マゴチを引っ提げて車に戻る。
これから〆てお持ち帰りしようという魂胆だ。
興奮しながら車の中に置いておいた包丁を掴む。
すると、間違えて刃の方を握ってしまった。
痛いと思う間もなく右手の中指から血が流れ落ちる。
興奮のせいか痛みはあまりない。
しかし、この傷では出血を止めることができないということだけは分かる。
絆創膏ではまず無理だ。
自分のタオルも清潔ではないので使うことはできない。
自分の哀れな様子を見かねた地元の人がタオルを貸してくれた。
これで出血を抑えることができたが、できる限り早めに病院に行きたい。
しかしここから自分が住んでいる街まで高速道路でも1時間半はかかる。
できればここの病院に看てもらいたいがどんな病院があるか知らないし、第一まだ朝の6時だ。
取り敢えず車で駅前に行き、タクシーの運転手や警察官に病院を尋ねる。
警察官から、看てもらえるかもしれない病院を紹介してもらい、早速病院に向かう。
これで看てもらえなかったどうしようと心配だったが、何とか応急処置してもらえた。
 
帰る前に第二の河口に寄ってみた。

ちょっと血の量が多かったので画面を加工しています。
犯罪と間違えられないか心配だ…。
 
これで今日の釣行は終わりだ。
いろいろなことがあり過ぎて帰宅後は頭がぼんやりしてしまった。
この後は大学で仕事をしたが、少しずつ指が痛くなってきた。
興奮すると痛みを忘れるのは本当だということを身をもって学んだ。