暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

研究会の開催

昨年の9月に関西畜産学会なる学会の大会を運営した。
しばらくは学会大会の運営はしたくないと考えていたが、何の因果か今年も学会(研究会)を運営することになった。
しかもここ10年間出席していない研究会にである。
 
自分には学会大会(研究会)運営の経験があまりないので、備忘録として運営の過程を記しておきたい。
 
研究会をどうしても運営してほしいと他大学の教員から依頼されたのが昨年の12月。
10年間この研究会に参加していないこと、研究室の人員が少ないこと、そして健康面に問題があることを理由に断ったのだが、誰も引き受けてくれないと言うので仕方なく引き受けることにした。
 
この研究会について知っていたことは以下の通り。

  • 基本として、参加者は研究会会場でもあるホテルに宿泊する。
  • 懇親会もそのホテルで行われる。
  • 参加者の研究成果を発表する一般講演の他に、運営者が特定のテーマや人物に依頼する特別講演がある。
  • 若手研究奨励賞という表彰がある。
  • エクスカーション(体験型見学会)があることもある。
  • 研究会のHPとメーリングリストがある。
  • 年々参加者および発表数が少なくなっており、10年前は25題くらいの研究発表があったが、昨年は10題を下回った。
  • 研究会本部からの開催費の支援がないため、かつホテルを使うため、参加費が高めである(これが参加者が少なくなっている原因かもしれない)。
  • 他の学会大会と同じく、運営者に報酬はない。
  • 研究会本部は研究会の開催にほとんど関わらない(つまり、運営者が全ての作業を行う)。

と言うことで、引き受けた瞬間に「後は任せた」ということになってしまった。
何をどうすれば良いか全く分からないまま研究会の運営を始めた。
 
2016年1月
年が明けてから、メーリングリストを利用して研究会開催の挨拶をした。
この後、卒業論文修士論文指導に追われてしばらく何もしなかった。
 
2016年3月
別の学会の参加者に特別講演を依頼しまくったがことごとく断られる。
これで同じ研究分野の研究者に特別講演を依頼することができなくなった。
自分が無力であることを痛感し、一気に落ち込む。
 
2016年5〜6月
会場と開催日を決める。
会場は農学部の他の先生に教えてもらったホテルに決めた。
下見をしていないが、その先生が以前に学会を開催したことがあるので多分大丈夫だろう。
次に研究会の開催日を決める。
この研究会は秋から冬の間に行われることが多いのだが、この街では秋に観光客が多いことから日にちを選ぶ余裕はない。
そのうえ参加するであろう人達が所属している学会の大会開催日と重ならないようにしなければならない。
以上の条件から、開催日はほぼ強制的に11月3日と4日に決まった。
参加者が50人くらいになるだろうと考え、50人収容できる会場と、客室を30室(禁煙20室、喫煙10室、基本的に2〜3人部屋)、そして懇親会の会場を予約した。
 
2016年6〜7月
特別講演の演者を決める。
先に述べた様に、自分と同じ研究分野の研究者にお願いすることができない。
しかも、予算の都合上、演者に交通費や謝礼を払うこともできない。
となれば身近なところから演者を探した方が良さそうだ。
そこで自分の大学の教員にお願いして何とか二名の演者を確保できた。
早速(仮の)演題を決めてもらい、メーリングリストを利用して、開催日と会場、特別講演の内容を知らせる。
 
2016年8月
総説論文原稿作成のため全く時間がとれず、しばらく放置することに。
 
2016年9月
そろそろ参加者数と発表数、宿泊者数を確定しなければならない。
メーリングリストで、参加者氏名、発表の有無、宿泊の希望などを9月15日締め切りとして問い合わせた。
そして9月15日、参加者数が確定した。
何とその数6人(発表4題)。
この人数では研究会を開催することができない。
参加者数の締め切りを9月20日に延期し、知り合いの研究者に参加を依頼するとともに、参加できそうな人を紹介してほしいと連絡した。
連絡された方々はさぞ迷惑だっただろう。
ところが、連絡を受け取った方々は皆好意的に対応してくださり、9月末には15名の参加者を確保することができた(後に参加者は自分の研究室の学生も含めて28名、発表18題になった)。
とは言え参加者が予想よりも少なかったので、ホテルに連絡して小さい会場に変更してもらった。
さらに客室も15部屋(禁煙10室、喫煙5室)に減らしてもらう。
 
2016年10月
発表演題名と講演要旨の提出を依頼した。
ついでに宿泊の詳細な希望(相部屋の是非)などを訪ねる。
講演要旨の提出締め切りは10月15日としたが、やや時間が短すぎる気がしたので後で25日に延期した。
この間に関西畜産学会に参加する。

今週。
送られてきた演題名を基にプログラムを作った。
初日だけ参加するという参加者と、若手研究奨励賞応募者の演題を初日に配置し、それ以外の演題を二日目に配置する。
これと並行して講演要旨集を作る。
会場の詳細やアクセスなども作成し、送られてきた講演要旨集をコピー&ペーストする。
書式を整えるのが大変だ。
プログラムと講演要旨集案が完成したら、次は各演題の座長候補者を決めて依頼する。
参加者が少ないので、座長を務めることができる人が限られている。
断られたらどうしようかと悩みつつメールを送った。
紆余曲折あったが2日ほどで座長が決まった。
この時に、懇親会参加者の希望調査を忘れていたことに気付く。
急いで参加者にメールを送り参加者数を確定した。
懇親会の参加者数と宿泊者の情報をホテルに伝える。
ホテルの方に部屋割りをしてもらい、宿泊者に客室番号を伝えた。
これで参加者への連絡はほぼ完了した。
続いて小物の準備である。
まず参加者のネームカードと領収書を作成(印刷)する。
研究会開催中の掲示物(「受付」「座長」など)の印刷も始め、大学の事務に借りる物品を予約した。
 
そして今日。
講義の前に講演要旨集を30部印刷した(56ページを両面印刷)。
これを、研究室ゼミの後で学生に手伝ってもらって製本する。
製本にはアスクルのレール式クリアーホルダーを使った。
ついでに観光情報のパンフレットとビニール袋を観光協会に25部依頼して受け取りに行く。
 
ここまでのほとんどの作業を自分一人で行った。
肉体的にも精神的にも疲労困憊であるが、同時によくやったとも思う。
もちろん、自分の突然の依頼に応えていただいた参加者の皆様の助けがあってのことである。
本当にありがたい。
 
今のところの反省点は、参加者への連絡がやや遅いことである。
メールを送るときの聞き忘れや添付ファイルの添付を忘れるなど、小さなミスも多い。
まだ準備しきれていない部分も多いが、とにかく研究会は来週だ。
もう少し頑張ろうと思う。