暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

フォール

今日は土曜日。
もちろん早朝から釣りに行く。
明日が実験の日なので、第二の河口で少しだけ釣りをしてすぐに帰る予定だ。
 
4時過ぎに到着した時の第二の河口は、潮が下げ半ばの状態である。
かなり澄んでいるのが気になるが取り敢えずルアーを投げる。
しかし、何を投げてもアタリはなかった。
あまりに悔しいので予定を変更して第一の河口に移動した。
 
車を走らせること40分間、朝6時過ぎに第一の河口に着いた。
この時既に夜は明けており、干潮の潮止まり一歩手前だった。
エアオグルを投げて引いているとアタリが来たが、鰓洗いに耐え切れずバラしてしまう。
そしてここから怒涛の根掛かりが始まる。
牡蠣が着いた根が点在しているようなのだが、水が濁っているせいで根を見つけることができない。
潮が引いて浅くなっていることもあり、どんどんルアーが吸い寄せられていく。
自分の一軍ルアーであるエアオグル85SLM、パンチラインマッスル95、リアルスティール26、レンジバイブ80ESを失ってしまった。
 
意気消沈したままエアオグルを引いていると、足元で二匹のシーバスが追いかけているのが見えた。
そのままリフト&フォールさせていると喰い付くような素振りを見せるが見切られてしまった。
どうやらシーバスは足元にいるようで、しかもリフト&フォールが効くようだ。
そこでレンジバイブを引いて足元まで寄せてからリフト&フォールしていると、シーバスが底から大口開けて喰い付いてきた。
これはバレないだろうと思いアワせたが鰓洗い一発で外されてしまう。
次に手にしたルアーはパンチラインマッスル95。
これを投げて足元まで寄せてからややテンションを掛けつつリフト&フォールさせているとシーバスが二匹喰い付いてきた。
すかさずアワせると手元に重みが伝わる。
遂に来た!!
どうやら口ではなく鰓辺りに掛かっているらしく大きさの割にかなり引く。
これを逃したらボウズ確定なので、慎重に、慎重に寄せる。
しかし、想像以上に潮が引いており川の端が干上がっているので護岸からは玉網が使えない。
底は牡蠣殻だらけだし波もないのでズリ上げる訳にはいかない。
護岸から川底まではシーバスロッド一本分(9.6フィート、約2.9m)くらいの高さがあるが、護岸の出っ張りに足をかけて川底に飛び降りる。
何とかバラさずに玉網で掬うことができた。

釣り場を変え、大事なルアーを失い、アタリがなくなった末の一匹。
アドレナリンが出まくりだったに違いない。

60cmジャストのタイリクフッコだった。
第一の河口では珍しい綺麗な魚体である。
幸い鰓にフックが掛かっていなかったのでリリースすることにした。
川底に降りる時には苦労したが蘇生とリリースはこれまでよりも断然やりやすかった。
 
フォールと言えばメタルジグやワーム、バイブレーションだけの技術と思っていた。
これからはミノーやシンキングペンシルでも試していこうと思っている。
 
帰宅後に、川底に飛び降りた時に足を捻挫したことに気付いた。
40歳を過ぎているのに何をやっているんだと思わないでもないが、後悔はしていない。