暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

卒業(前編)

明日は大学の卒業式だ。
 
卒業生の中には親しくしている学生もいるので、少し複雑な気持ちになる。
自分は教員なのでそう考えてはいけないのだろうが、なかなか割り切ることができない。
 
研究室からは、唯一の大学院生である松田さんが卒業する。
彼女は本当に真面目な学生だった。
自身の研究はもちろん、自分の研究もよく手伝ってくれたし、後輩の面倒もよく見てくれた。
彼女がいなければここ数年の研究室運営ができなかったと言っても過言ではない。
 
釣り部では辻君が卒業する。
彼とは知り合ってから8ヶ月間くらいのつきあいしかない。
しかし、この短い間に何度も釣りに出かけた。
そんな彼との最後の釣りを日記に残しておきたい。
 
最後に島に行こう、ということで中島で釣りをすることにした。
中島は「進ぬ!電波少年」の「電波少年無人島脱出」という企画でRマニアさんが住んでいた島の近くにある。
車に釣り道具と食料を積み込みフェリーに乗り込んだ。

こんな遠くまで来て釣れなかったらどうしようか・・・。
出港してから1時間ほどで中島に到着した。
 
2人とも中島が初めてなのでどの釣り場が良いかさっぱりわからない。
そこで、辻君がメバリングをして良いポイントを探すことにした。
車で移動してメバリング、を繰り返す。
真昼間なのにも関わらずあっさりメバルが釣れる。

自分がメバリングをしている訳でもないのに、何となく釣れる気がしてきた。
 
夕方前に釣り場を決め、各々の釣りを始める。
自分は青虫を餌にした投げ釣りだ。
しばらくすると小さなアタリがあった。
聞きアワセしてみると何かがついている。

22cmのマコガレイだ。
やったぜ。
 
日が沈み、周りがすっかり暗くなった。
休憩がてら波止で夕食をとることにする。

なかなか冷たい夕食だ。
保温弁当箱が欲しいなあ。
 
辻君のメバリングも相変わらず好調だ。
夜が更けるにつれてメバルのサイズが大きくなってきた。

正確な数は数えていないが、大小あわせて30匹は釣っている。

左端のメバルは赤メバルだろうか?
20cm近いものだけキープして、それ以外は全てリリースした。
そうこうしているうちにまた大きなアタリがきた!

今日最大の23cmのメバルだ。
 
すっかり中島に満足した2人だったが、この後に予想しなかったことが起きる。
 
後編に続きます。