大学入試について思うところ
先週の土曜日と今週の日曜日(11月10日と11日)に大学入学共通テストの試行調査(プレテスト)が行われた。
大学入学共通テストとは、現在のセンター試験に替わるもので、2021年から行われるものである。
したがって、センター試験は2020年1月をもって終了することになる。
なぜセンター試験を廃止するかというと、センター試験では評価できなかった能力があるからだそうだ。
例えば、英語の科目はセンター試験では「読む」と「聴く」が中心として評価しているが、大学入学共通テストでは「書く」と「話す」も評価するらしい。
とにかく入試の内容を改善することで、入学生の能力を正確に評価するのが目的だ。
この入試改革について、自分にはどうしてもわからないことがある。
この改革はあくまで入学生の能力を評価する方法を改善するだけであって、大学を卒業する学生の能力の向上とは無関係であるからだ。
極端な話、大学に入学した時よりも卒業する時の方が能力が低下している学生もいる。
入試で学んだことなんて大学四年間で勉強を続けなければ忘れてしまうだろう。
将来のことを考えるなら、入学する時よりも、卒業する時の能力の方が大事なはずだ。
それなのに入試の改革ばかり進んで、卒業する時の改革は全く進んでいない。
また、入試の方法が変わると、入試業務に関わる大学事務員と教員の負担がかなり増えることになる。
担当者によって通常の業務(大学生の教育を含む)に支障が生じるくらいの労力を使うことになる。
大学入試を改革するよりも、卒業する時に「卒業試験」を設けるなどの改革を行うべきだ(注:医学部などは除く。医学部で国家試験を受ける大学生は本当に大変そうだ)。
外国の大学では「卒業試験」を行っているところがあると聞いているし、決して不可能ではないはずだ。
大学生の能力を向上させるなら、入学時ではなく卒業時に力を入れた方が良いと思う。
以上、地方大学の一教員の意見でした。