実験技術の確立
実験の都合上様々な生化学的分析をしているが、自分が扱うことができる実験技術はそう多くない。
そのため、新しい実験を始める前にはほとんどと言っていいほど実験技術の確立から始めることになる。
そんな時に役に立つのが市販の分析キットである。
分析キットには予め必要な試薬のほとんどが用意されており、試料(実験サンプル)さえあれば誰でも簡単に分析できるという、研究者にとって有用なものだ。
ただし一般的に分析キットは高価である。
また、条件(動物種が違うなど)が合わないと分析できないこともある。
実際に5万円くらいで購入したキットで分析ができなかったことがあった。
自分にはそんなに研究費がないので、分析キットを購入する前に、自分たちの設備と試薬で分析が可能かを検討することになる。
と言うことで、ここ半年近く前から新しい分析手法の確立に取り組んでいる。
研究室の若い衆が同じ分析を行うそうなので、まずは若い衆が考えた方法を試してみることにした。
ところがその方法を使ってもうまくいかない。
その方法は他の研究者が取り組んでいるものとほとんど同じだったので、若い衆が考えた方法が悪いという訳ではなさそうだ。
昨年11月頃からこの方法に取り組んでいたが、あまりにうまくいかないのでここ数か月ほったらかしにしていた。
今月になっていろいろと調べ直してみたら、若い衆が考えてくれた方法とは少しだけ違う方法があることに気付いた。
早速試してみたら見事にうまくいった。
あまりにうまくいったので拍子抜けした。
若い衆が考えてくれた方法とはほんのちょっとの違いしかなかったのだが、結果は明確に違っていた。
どんな方法でも理屈に合っていなければうまくいかないことを改めて思い知った。
それはさておき、半年間の努力がようやく実った(実際は何もしていない期間の方が長いが)。
後はこの実験技術で良い結果を出すだけである。