大学での新型コロナウイルスの対策について その5:YouTuberになりました。
大学の授業のうち、学生実験と学生実習は禁止されていて、講義のみ遠隔で実施せよとのお達しだ。
遠隔授業の方法については教員の判断にお任せというではないか。
遠隔授業の選択肢は大きく分けて三つある。
- ZoomやWebExを使ったリアルタイムのオンライン授業
- 授業の動画を配信する非リアルタイムのオンライン授業
- eラーニングソフトであるMoodleやメールを使って授業資料を学生に渡し、学生が課題を提出する(注:eラーニングとはインターネットなどを利用した学習のこと)
1のリアルタイムのオンライン授業はどうしてもやる気がしなかった。
その理由として、自分が担当している授業はやや人数が多く(最大で100名を超える)パソコンの前で授業をしても伝わっているか全くわからないこと、そして学生の通信環境が悪ければ授業にならないと考えたからである。
3も個人的には受け入れがたい選択肢だ。
3は最も簡単な方法であるが、授業資料を渡すだけだったら教員の存在意義はない。
授業資料を「わかりやすく」学生に伝えるのが教員の仕事ではないか。
3の選択肢はいずれ大学教員をクビにすることになりかねないものである。
となると必然的に2になる。
動画だと内容を工夫すればわかりやすく説明できるし、一時停止してノートに書いたり、わからない時には前の場面に戻ることもできる。
動画の内容が簡単な時には早送りで、難しい時には再生速度を下げることもできる。
そして繰り返し見ることで復習させることも簡単だ。
学生の顔が見えないのと、3の授業資料を配布することが似ているという点が問題であるが、1と3の欠点が大きすぎるので2の選択肢しかない。
ということで必死で授業動画を作っている。
使っているソフトはMS Powerpointである。
このソフトにはスライドやアニメーションのタイミングを記録し、なおかつナレーションまで記憶したうえで動画ファイルに変換する機能がある。
また、これまでの授業はMS Powerpointで作ったスライドを使っていたので、準備に困らないはずだ。
マイクは別の研究室の先生から拝借した(ずっと借りっぱなしであるが)。
できた動画をYouTubeにアップロードしたら完成である。
まさか自分がYouTuberになるとは思ってもみなかった。
さてこれで終わりと思いきやいくつかの問題が出てきた。
一つ目は、ただのスライドに声を吹き込んで動画を作るだけではわかりづらい授業になることだ。
そもそもスライドのどこを見ればよいのかわからない。
ポインターの動きも記録させればよいのであるが、その方法がよくわからないし、そもそもポインターが動きまくっても見づらくなるだけだ。
この問題を解決するにはアニメーションしかない。
ということでほぼ全てのスライドを作り直すことになった。
もっと他の良い方法があればそちらを試したいのだが、今はこれしか思いつかないので、とにかく全力で授業動画を作っている。