敗北宣言
今日は土曜日。
論文の編集作業と研究費の報告書という二大仕事を完遂した自分に必要なのは、佐田岬での釣りだ。
年明けから佐田岬に通っている理由はただ一つ、ヒラスズキを釣るためだ。
しかし、昨年度とは様子が違っており、なかなかヒラスズキが釣れない。
一方でアジの群れが入ってきておりさらにそれを追いかけて青物も回遊している。
青物はぼちぼち釣れているがヒラスズキが釣れない。
そのアジの群れがほとんど見られなくなったので(自分が釣りに行った時だけかもしれません)、ヒラスズキが釣れそうな気配がどんどんなくなっている。
今日が最後のチャンスになるかもしれない。
だから今日はヒラスズキだけを狙おう。
もし青物が釣れたとしても今日はリリースだ。
持ち帰るのはヒラスズキだけでいい。
悲壮な覚悟を抱きつつ釣り場に向かう。
釣り場に到着したのは朝4時半頃。
今シーズンには珍しく自分が一番乗りだった。
これだけでももう釣れなくなっていることを感じる。
もっとも、今日は朝マズメまでド干潮だからかもしれないが・・・。
釣り場を確保し、5時くらいまで待機した。
雨上がりのテトラポッドは暗闇では危なすぎるからだ。
うっすら明るくなった頃に釣り場に入りエリア10を投げる。
いつものように全くアタリがない。
レンジを下げようと思いパンチラインマッスル95を投げてゆっくり引いてみる。
こちらもなかなかアタリがないが、5投くらいした時にアタリが来た!
激しく首を振るが鰓洗いはしない。
この魚は何なんだ・・・
サワラだった。
81cmもある。
いつもなら大喜びだが、今日はヒラスズキだけ持ち帰ると決めている。
名(自分の決断)をとるか、それとも実(食料としてのサワラ)をとるか・・・。
少し考えてやっぱりサワラをリリースすることにした。
やはり自分の決断を翻すようなことがあってはならない。
新型コロナウイルスの件で中国の友好都市にマスクを寄付したにも関わらず、こちらが足りなくなったからやっぱり返してくれというようなものだ(愛知県で実際にあった話だそうです)。
サワラをリリースした後にひたすらルアーを投げたがアタリがない。
ベイトが引っ掛かってきたのでレンジは合っているはずだ。
ルアーのカラーもサイズもそう悪くないと思う。
しかし、ヒラスズキどころか何のアタリもなく時間だけが過ぎていく。
そして無念のタイムアップ。
結局ヒラスズキは釣れなかった。
今月の残りの日も仕事などで釣りに行けそうにない。
つまり、今シーズンはこの場所でヒラスズキを釣ることはもうできそうにない。
自分は負けたのだ。
次は一年後だ。
それまでに腕を磨いて、来年こそは必ずヒラスズキを釣り上げてやる。