暗屯子の部屋

ミカンと温泉の街に潜み、IgA腎症と戦いながら研究と釣りに明け暮れている、ヒゲとメガネとは私のことです。

イノシシの四肢

昨日の夕方に共同研究者から論文が二つ帰ってきたので、少しずつ修正を進める。
その息抜きとしてイノシシの骨格標本の作成も続ける。
 
まずは前脚の固定だ。
前脚を針金(0.55mm)とホットボンドで固定する。

肩甲骨と上腕骨、上腕骨と尺骨、橈骨は針金だけで固定して、動けるようにしておく。
イノシシはヒトのように鎖骨がなく、肩甲骨が筋肉で胴体に固定されている(胴体の骨とは関節で繋がっていない)。
そこでアルミパイプ(3mm)を標本台に固定して、筋肉の代わりとする。

ピンバイスで肩甲骨に穴を開けて0.9mmの針金を通し、さらにアルミパイプを通して反対側の肩甲骨と繋げる。

針金の端をコイル留めしたが、0.9mmの針金は太過ぎてかなり難しかった。

かなりらしくなってきた。
 
次に骨盤と後脚の固定である。
この骨盤の固定が難しかった。
というのも左右の骨盤が一定の角度で繋がるのだが、自分の針金そうさではどうしてもその角度で繋げられない。
0.55mmと0.9mmの針金で三か所繋いだが、ややぐらぐらしている。

ここに後脚を0.55mmの針金で繋げる。

支柱が低かったせいか、関節が曲がったままになってしまう。
 
とにかくこれで四肢は繋がった。

かなり完成に近づいた。
後は四肢を標本台に固定し、繋げられなかった胸骨を整理し、足の裏の種子骨などを接着したら完成と言っていいだろう。
標本台にも足をつけてやりたい。
 
イノシシを骨にした時、「どうやったら繋げられるんだ?」と怖気づいてしまったが、見よう見まねでここまでできた。
案ずるより産むが易しとはこのことだろう。
夏休みの宿題が一つ片付いた気がする。