研究費について
大学の研究費が少なくなっている。
そのため研究費を節約しながら研究を続けている。
その一方で、研究費がどれくらい減ったのかを具体的に把握していなかった。
研究費がなくなった時の対策を進めてきたが、肝心の金額は知らなかったし、知ろうとする気もなかった。
ところがつい先日にあることがきっかけで昨年度に大学からもらった研究費の金額を知ることになった。
金額を知って愕然とした。
このままでは研究者として生き残ることはできない。
何としても大学外部から研究費を調達しなければいけない。
幸い今年度は大学外部から研究費を獲得することができた。
三年間の研究計画なのでしばらくは研究を続けることができそうだ。
しかし、この研究が終わった後にどうなるかは全く分からない。
今の研究がある程度進んだらまた別の展開を考えておいた方が良さそうだ。
とにかく今は目の前の研究に励みたい。
しっかり研究成果を出して論文として発表しておかなければ、次に研究費が獲得できる可能性がなくなってしまう。
かつての国立大学では、研究成果がなくても今の四倍くらいの研究費が支給されていた。
しかし今やそんな時代ではない。
研究成果も出せない研究者に渡す研究費なんてない。
そもそも国立大学の研究費のもとは国民の税金なのだから、世間様からすれば当たり前のことだ。
今の国立大学では大学教員が研究を続けるにはかなり厳しい状況である。
ただし、大学教員にはまだ素晴らしい特権が残っている。
それは「自由に研究してよい」という特権である。
決して「研究成果を出さなくてもよい」とか「箸にも棒にもかからない研究でもよい」という意味ではない。
「自分の好きなものでいいから、少しでも世界の役に立つような研究なら何をしてもよい」という特権である。
好きなことをやらしてもらえるだけで十分ではないか。
この特権といただいた研究費に感謝しつつ、これからも研究に励みたい。