大学での新型コロナウイルスの対策について その8:テスト
大学では遠隔授業真っ盛り。
こうなると学生の成績評価をどうするかが問題になってくる。
レポートなどの課題で済ませるという方法もあるが、そんな授業で授業内容を覚えることができるとは到底思えない。
まだ、他の授業では課題だけという方式を採用しているところも少なくないようで、しかも課題の量がかなり多いらしく、学生達の負担も大きそうだ。
実際に自分の研究室の大学院生は常に課題に追われていて研究に集中できない状態になっている。
と言うことでオンラインでテストを行うことにする。
しかし、MoodleといったeラーニングシステムやGoogle Formsのテストではカンニングし放題であり、テストの意味はない。
これらに代わるオンラインテストのソフトウェアを見つけなければいけない。
もちろんそんなソフトは有料に決まっている。
そして、大学からはそのためのお金を出してくれることはない。
文部科学省も遠隔授業用のオンラインテストの開発でもやってくれたらいいのに。
入試改革だとか大学改革とか教科書の選定とかあまり発展性が見込めないものにお金をかけている場合ではないだろう。
二か月ほど探したがどのソフトもお金がかかりすぎるとか、機能が不十分なのではないかという心配があり、なかなか選ぶことができない。
一時は自分でソフトを作成した方が良いのではないかとも考えた。
そうしてようやく見つけたのがロゴスウェア株式会社のTHiNQである。
THiNQはeラーニングのオンラインテスト作成ソフトである。
1年間で1万円ちょっとしかかからないのに、機能はそれなりに備わっている。
自分が最も気に入ったのが問題ごとに制限時間を設けることができる機能だ。
全体の時間制限を設けることができるソフトはたくさんあるが、各問題となると意外とすくない。
各問題に時間制限があることでカンニングを防ぐことができる。
むしろこの時間制限(各問題10~30秒程度)を超えてカンニングできるならそれはむしろ一つの才能といってよい。
じっくり時間をかけて考える学生には不向きであるが・・・。
また、問題の順番や、選択問題の選択肢の位置もランダムで変わるように設定できる。
テストの開始時間も把握できるし、成績も自動的に算出してくれる。
選択問題だけではなく記述問題もできる。
ただし、自分のテストでは記述問題はやらなかった(パソコンのタイピング技術の差が成績に反映されてしまうため)。
いろいろ欠点があるものの、金額面でも、機能面でも現段階ではこれ以上のものはないだろう。
研究室の学生に協力してもらって制限時間を調整して、そして今日の中間テストで初めてこのテストを実施した。
昨年度のテストよりも平均点が5点程下がったが、まずまずの結果だった。
授業の動画でしっかり勉強できていたこともわかったしまずは一安心した。
このテストの方法を見つけるまでの二か月間、本当に辛かった。
もちろんこれで完璧だとは思っていないので、より良いテストができるようこれからも考えていきたい。