身の丈にあった
来年度から導入される大学入学共通テストについて、文部科学大臣が失言したそうだ。
なんでも共通テストの英語の民間試験が受験性の住んでいる地域や親の経済力による影響を受ける可能性があることに対し、「自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」と答えたそうだ。
後に撤回したそうだが、これはなかなかの失言だと思う。
これからどんどん成長していくはずの受験生に対し、「身の丈」だなんて決めつけはよくない。
大学入試だけではなく、大学そのものの改革も進められているが、その中には理解しづらいものもある。
例えば、文部科学省では大学ごとに「世界的研究・教育の拠点」「高度人材の養成」「実務的な職業教育」の3種類に分類するように進めているが、それも決めつけの一つになっていないだろうか。
この決めつけは、大学に入学した時点でその学生の人生を決めてしまう可能性があり、学生のやる気を削ぐ可能性もある。
学業に希望をもたなくなった学生に教育するのはほぼ不可能である。
そもそも文部科学省の職員の中で教育について学んだ人はどれくらいいるのだろう。
「行政改革といふことは、よく気を付けないと弱い者いぢめになるヨ。おれの知ってる小役人の中にも、これ迄随分ひどい目に遭ったものもある。全体、改革といふことは、公平でなくてはいけない。そして大きい者から始めて、小さいものを後にするがよいヨ。言ひ換へれば、改革者が一番に自分を改革するのサ。」
と100年以上も前に勝海舟が言っている。
教育は国の将来を担う人材を育成する場でもある。
大学の改革をするのであれば、将来を見据えたしっかりとした改革を望む。