死闘の果てに(佐田岬釣行七回目)
卒業式も終わり、今年度の仕事は事務仕事と論文作成、学会への参加だけになった。
今週から学会に参加するため、事務仕事に追われる毎日である(論文作成は学会中にやる予定)。
学会のため今週末は釣りに行けない。
どうしても今月中に佐田岬で魚を釣りたい。
気付けば車のハンドルを握っていた。
釣り場に到着したのが朝6時頃。
中潮でこれから潮が上がり始めるところだ。
沖の方で単発ながらライズが見えた。
ひょっとして今日は釣れるかもしれない。
取り敢えずエリア10を投げる。
すると魚がエリア10に襲い掛かってきた。
一瞬だけ手応えがあってすぐにバレてしまったが、まだ釣れそうな気配である。
約10分間隔で単発のライズが続いている。
いつか必ず近くでライズが起きるはずだ。
その時を待ちつつエリア10を投げ続ける。
そしてその時は来た。
ライズが起きたところにエリア10を投げるとすぐにアタリが来た!
そして鰓洗いが始まる。
手応えからするとそんなに大きくなさそうだ。
ドラグを緩めずにそのまま強引に寄せる。
魚は根に潜りたそうだが今日こそは潜らせるわけにいかない。
勝負は一分もかからずに終わった。
このまま抜き上げても良かったが、念のため玉網で掬う。
50cmのヒラセイゴだった。
銀色の体が眩しい。
同じ場所に七回も通った末についに魚を釣り上げることができた。
これを釣り上げるためにエリア10を5つも失ってしまった。
今まで溜まった鬱憤が一気に体の外に出ていく。
見上げた空が高く感じた。
これでようやく、ラテオ100MHで50cm代の魚を釣り上げることができた。
このラテオにPE1.2号、リーダー5号の組み合わせなら50cmのシーバスを抜き上げることもできることが分かった。
その一方で今までバラしてきた魚はかなり大きいことも分かった。
もっと大きな魚をたくさん釣って、このロッドを使いこなせるようになりたい。
今日は釣れると思っていなかったので、魚を〆る準備をしていなかった。
急いで車に戻ってクーラーボックスを持ってくる。
釣り場に戻った時にはライズがなくなっていた。
当然エリア10を投げても何の反応もない。
ワームを投げた時にアタリがあったが、アワセるのを忘れてしまい(向こうアワセと思っていた)、すぐにバレてしまった。
これで今日の釣りは終わり。
急いで帰り支度して仕事に向かった。
実は、今日は釣れる確率が高い第二の河口に行く予定だった。
しかし、佐田岬が釣れないからといって、釣りやすい場所に行くのは現実から逃げている気がした。
どうせ釣れないなら思いっきりぶつかってやろうと考えて、急遽佐田岬に変更した。
諦めなくて本当に良かった。
また佐田岬に行こうと思う。
以前に逃した大物を釣り上げるために。